「下流社会」

もうかなり前に読み終わっていましたが、うーん…マーケティングの資料としての価値ならあるかもしれません。日本のマジョリティーの経済力と思考の関係がだいたい把握できるかも。(ただ、筆者ご本人もおっしゃられてますが、データ数が少なすぎますね。)でも、文学系人間としては、経済力とその人の思考の傾向が、そんなに単純に結びついて、カテゴライズできるものなのか?そんなに人間は簡単な生き物か?とひっかかるのです。そして、これらカテゴリーに該当しない、ミスフィットな人間がどう生きるのかという点に興味があるわけで。きっと、こうゆう人間を題材にした小説を書く作家が出てくるんだろうなーと思うわけです。
それから、三浦先生の意見を、私の勝手な言葉でまとめると…下流に属する人たちは、現状に満足し、安住していて、上昇志向がなく、思考することも止めている。そして、ダラダラしていると。こういう人間が増えることは、日本の経済にとって大きな痛手だし、日本の未来は暗いですよね。確かに、ものを考えなくなることや偏狭な視野でものを見ることは、良いこととはいえない。けれども、身の丈にあった幸せに満足することが、そんなに悪いことなんでしょうか?