「真夜中の弥次さん喜多さん 合本」しりあがり寿


中沢新一さんの言葉を借りると、
この漫画は「意味と無意味」「リアルと幻影」「生と死」が背中合わせになっていて、
お互いを入れ替えながら果てしなく続く、東海道の旅が舞台になっています。
なにがデタラメで、なにがリアルかわからない世の中を、
弥次さんと喜多さんはさまよっている。
なにも生産しない世界、虚無の世界、
そんななかで確かなものは、
弥次さんと喜多さんの愛なのでしょう。
絶対的愛はすべてを超越するのでしょう。


この「合本」のために書き下ろされた、
巻頭のカラーページ(弥次さんと喜多さんの出会いの場面)は映像を超えたと思う。
この間のとり方は、映画でどう映像化すれば良いのだろう?
あと、弥次さんと喜多さんが手をつないで佇んでいるイラストは、
せつな過ぎて涙がでてくらー。


合本 真夜中の弥次さん喜多さん

合本 真夜中の弥次さん喜多さん