「まわりみち極楽論 人生の不安にこたえる」玄侑宗久

未読の本なのですが、
今週号の『図書新聞』掲載の秋竜山「読書絵日記」で紹介されていました。
この本からの引用が印象的だったので、
孫引きながら…<『老子』という本に、こういう言葉があります。

笑わざれば以って道となすに足らず

道というのは老子にとって至上のもので、言葉で言えない最高の価値なんですが、それは思わず笑っちゃうようなものだって云うわけです。つまり一般の人々が理解して納得するように道を表現するのはむずかしいわけですが、聞いた一瞬は「あっはっは、そんな莫迦な」と言って笑うようなことにこそ真理があるというんですね。逆に言えば、真理はあまり真面目なしかつめらしい顔では現れないということでしょうか。>


たしかに聖書も、内容だけを追っていると
「えー、神さま、そんな無茶苦茶でっせ(笑)」とか、
「んな、バカな話ありまっか(笑)」とか言いたくなる奇跡の逸話がありますよね。
もちろん、その逸話の深層に重要な意味が隠されているのですが。
遠藤周作も、聖書のなかの奇跡が事実か否かは重要ではない、
そこに秘められた意味を探ることが重要なのだ…というようなことを言ってましたし。)
ただ、なんとなくゲラゲラ笑いながら読むのは不謹慎みたいな空気があるでしょう?
この老子の引用を読んで、あー笑っていいんだーと思いました。
まあ、その場の状況によりけりですが。


あと、文学作品における「道化」の意味にも通じますよね。