東京ファイティングキッズ
- 作者: 内田樹,平川克美
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
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まず、この本を紹介してくれたtorifuneさん、どうもありがとう。
偶然にも、torifuneさんは本日の日記で内田樹の新刊『先生はえらい』を取り上げてます。
内田樹と平川克美の書簡(メール)集。
お二人の言葉や表現の的確さには脱帽です。シャッポーを脱ぎます。
私がずっとモヤモヤのまま放置していた事柄を、
いともたやすく理路整然と説明してくれています。
爽快感がある反面、
あらたな課題を提示されているようで、新たなモヤッが生まれてきてもいます。
後半は「アメリカ論」が展開されています。
これがモヤッの原因なのです。
わたしが今書こうとしている論文の根底に流しておきたいことを、
代わりにまとめてくれているかのような錯覚をおこしました。
たとえば、
「現実は知性的なものと反知性的なものの
両義的な意味合いを孕んでいるという認識」の必要性。
人間による「なんだかわからないもの」というカテゴリーの廃棄。
論文と話をくっつけると面倒臭くなるので、今日はやめます。
ただ、↑を読んで『白鯨Moby-Dick』を思い出しました。
この作品も難しくてよく理解できないのですが、
「なんだかわからないもの」を執拗にわかろうとした人間の愚かさ、
人間の理解の範疇を超える存在や、それに対する畏れを描いてる?
なんていう読後の感想を思い出しました。
知性と反知性のバランスを崩したら、人はエイハブ船長になっちゃうのかな?