「蒼い顔と赤い肌」

先日図書館で授業の予習をしていた。アメリカ文学史のテキスト(英語ね)を読んでいて、中に出てきた「pale face and red skin」という言葉が妙に頭に残った。一通り範囲を読み終わった後、授業まで時間があったので、プラプラ図書館を歩いていたら、書棚に置いてある一冊の本のタイトルが目に飛び込んできた。「文学と直感」という訳本。いま直感について、ちょっと興味があるので、なにげなくパラパラとページをめくったら、この本の最初の章が「蒼い顔と赤い肌(pale face and red skin)」!いやーん、すごい偶然!よくよくテキストを読み返すと、まさにこの人が最初に使い始めた言葉だったらしいのです。
ちなみにこれ↓


Literature and the Sixth Sense

Literature and the Sixth Sense


「蒼い顔」は、北米先住民が白人を指して用いた言葉で、「赤い肌」はその逆ね。この言葉を使って、「文学と直感」のなかでフィリップ・ラーヴはアメリカの作家を二つの極集団に分類したのです。簡単に言えば、「蒼い顔」作家はヘンリー・ジェイムズのようなヨーロッパ志向で、現実から遊離して洗練された世界を求めるタイプ。「赤い肌」は、ホイットマンのように「粗野な開拓者精神」へと立ち戻り、人間の生命力と情熱を描くタイプだとか。でもさー、先住民が「開拓者精神」を持っていた?いや、持ってないでしょう。開拓じゃなくて共存を望んだわけだし、未開の地は未開のままを良しとしたのでしょ。むしろ「蒼い顔」した人たちが、土地を開拓して、理想郷を作ろうと意気込んでアメリカーナに来たんだしね。なんかおかしいわな。まあ、この論文が発表されたの1938年だからね、現代の常識が確立されていなかったのかもね。

なんだか「ひとりごつ」になってしまった…直感についてはまた今度。